第8章 クリントン青山招致計画

 


紀伊国屋は日本で初めてのスーパーである。前身は果物屋だったという。
スーパーといっても、頭に「高級」がつくスーパーで、品ぞろえや値段はデパートの食品売り場に近いものがある。
客は約3分の1が外国人。というわけで、外国からの輸入食材も豊富だ。
特に缶詰コーナーやパスタコーナーなどは、外国語が氾濫していて、ここが日本ではないかのような気になる。
最近日本で流行りだした「スムージー」も、ブーム以前から輸入しており、西海岸スタイルで、ポリタンクに入った巨大スムージーを買う事ができた。

『紀伊国屋』


田舎者の寮生は、だいたい本屋と勘違いして入店し、とまどうのだが、
さらにとまどうのは、レジが1Fに無いことである。わざわざエレベーターで2Fに行って会計するのだ。
(階段もエスカレーターも無い)
しかもエレベーターは2Fまでしかないのに、エレベーターガールがいる。
各階の説明をしなくていいので楽な仕事だ。
でも、「2階までしばらくお待ちください」
なんてことを言ってるうちに、すでに2階に着いてしまってたりするので恥ずかしいかもしれないが。
(客はみんな心の中でツッコミを入れる)

瓶詰めコーナー。やっぱり外国語ばっかり。

高級食材が多くて貧乏人には縁がないが、パスタは、種類も豊富で安い。



青山スパイラルホール脇にある『登龍門』は、本格的な台湾料理を食べる事ができる。
ここではセイロに入ったニラギョーザが、皮がプリンプリンしてて、主宰の好物である。
店内は狭くて暗くて、本場台湾の屋台のような雰囲気。
ほんとに狭いので、1つのテーブルに数組が相席になるのだが、そんなに大きくないテーブルなのであっという間に皿であふれる。
酔っぱらってくると、どの組が頼んだ料理か分からなくなって、
他人の料理を間違えて食べたりするんだけど、そのうちお互いどうでもよくなって、息投合してカラオケに行ったりする(マジ)。

台湾料理『登竜門』



寮は、夏休み・冬休み・春休みになると、風呂を沸かしてくれなくなる。
たいていの寮生は田舎に帰ってしまうからである。
東京居残り組は、毎晩風呂屋に通うことになる。
近くの風呂屋は、原宿の桜湯と青山の清水湯。
清水湯に行く時は、青山のメインストリートを洗面器を持って歩かなくてはいけないので、とても恥ずかしい。
(帰りなんか特に、頭が濡れてるから、ジロジロ見られてしまう)
清水湯にはたまに番台に若い女性が座ってることがあって、さらにドキドキする。
(でも、番台は脱衣場とは逆の方を向いているので安心)
港区民の日は入浴料がタダになるので、
その日だけ港区民の振りして(窓口で「港区民の方ですか?」と聞かれるので「はい」と答える)風呂に入る。ちなみに普段は入浴料は¥385。

『清水湯』

ラーメン『醍醐』のちょうど裏。





この表参道に、クリントン大統領が来るはずであったことをみなさんは御存知だろうか。
正確に言うと、青山学院大学でクリントン大統領が講演する予定だったのだ。
1992年、初来日の際、早稲田大学で講演を行ったクリントン大統領は、
1996年再び来日する際、また大学で講演を行おうとしていた。
早稲田に行った高校の先輩は、講演を聞いて母校の学校新聞に寄稿なんかしたりして、
「早稲田に来て良かった」などと、さんざん自慢していて、「うらやましいなー」と思っていたが、
なんと次の講演先が我が青山学院に決定した。

理由は、別に青学がすごいとか、そういうことではなくて、単に
「広い道路に面してて警備しやすいし、迎賓館や永田町からも遠くないし」
というだけのことであった。

青山通りに面していて警備しやすいという青山学院講堂。


迎賓館に近い、ということに関して言えば、上智大学の方が近い。
めちゃくちゃ近くて、大統領も歩いて行けるくらいだ。
ただ、いかんせん上智はカトリックだ。(大統領はプロテスタント)
別にカトリックだからって大統領が中に入れないとか、そんなことは無いと思うけど、
とにかくプロテスタント系ミッションの青学に決まったのだった。

ところが、折り悪く、その年は大統領選挙の年だった。
再選を目指すクリントンをこきおろすキャンペーンを、共和党が始めてしまったのだ。
分けの分からん大学で講演するより選挙が大事だとばかりに、
日本に来ること自体が、一週間前にドタキャンになってしまった。

やはり大統領と言えども「選挙落ちればタダの人」なんだなあ・・・・なんて事を思ってしまう。


なんせ、今年の来日時は、
モニカ・ルインスキー・スキャンダルの真っ最中で、自分が弾劾(注:大統領をクビになること)されそうだってのに、
日本に来て、のほほんとテレビにまで出てるのだ。
3年前の共和党の選挙キャンペーンどころの騒ぎではないのに・・・。
クリントンはもう選挙に出ないから(大統領の任期は最長8年)「もうどうでもいいや」って感じで日本に来たとしか思えない。

TBSのHPでは、クリントンスペシャルのコーナーを未だに(もう半年前の番組なのに)自慢げに置いている。やっぱ大統領をゲストに迎えるって、宣伝効果高いよなぁ。

表参道商店街のみなさんも、国旗を振ってお出迎えしたかっただろうに・・・。
2000/8/21注 ビル・ゲイツが立教大学の名誉博士号を送られたときの講演の模様は、こちら。青学も、クリントンじゃなくってゲイツ呼べば良かったのに。

青山に関する話題は、これでひとまず終了です。
読んで頂いてありがとうございました。
今後は青山に限らず東京のいろいろな話題を取り上げていく予定です。(青山に関してもネタが溜まったら取り上げます)
それでは、また!

 

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